かまぼこは衰退しました。
復権へ:「かまぼこ」を食べない若者が増加中……業界はどうする (1/2) - Business Media 誠
とあるラノベ風なタイトル。
記事によると「かまぼこ」が全国的に消費量が減っているらしい。
■1.伝統の味を守ることと、古い枠から出れないことは違う
伝統の味を守る事を目的とするならば、消費量を増やすことはしないで良い。
消費量に合わせて生産出来るボーダーラインを守れば良いからだ。
だがビジネスは違う。
より多くの商品を開発・販売し、より多くの消費をしてもらわなければならないからだ。
ところが新しい商品開発のスピード、レベル共にかまぼこを大量生産化している時期よりも早いとは思えない。
かまぼこの会社であることに誇りを持ち続けた結果、他の食品に食卓を奪われただけに過ぎない。
時代のせいにするのも良いが、全く見当違いな責任転嫁は時代そのものから嫌われるだけだ。
■2.かまぼこより美味しい物を作れば良かったのに
かまぼこに拘った結果、かまぼこそのものが衰退していくと共に事業も衰退していく。
何がおかしいものか、ごく自然な事だ。
かまぼこ会社として商品であるかまぼこを否定するのは当然、宜しくないことだ。
だが食品生産会社が、より美味しいものを追求していくことはおかしいことではない。
ラーメンを例に考えてみると良い。
食品としてはかまぼこよりも圧倒的に歴史は浅いが、今や一大食文化を築き上げている。
家系、次郎系など種類は多岐に渡り、ドライフリーズ製法と相まってカップラーメンという商品まで作り上げた。
雑誌やTVでもラーメンという食品の特集が毎月のように組まれる。
だが私は産まれてから30年間で、かまぼこに沢山の種類があることを知らないし食べた事も無い。それにかまぼこの特集は見た事が無い。
そういった努力がなされなかった結果でもある。
■3.ビジネスのやり方が商品を殺したという側面的観測
まったく新商品を開発していないということもないだろう。
だが、そこでも数字が物語っている。
何でも良いのだが、その他の文化を築いている食品と比べて新商品開発、新ビジネスモデル開発にどの程度予算が組まれているか。
設備投資にお金を費やすことも間違っていることではないのだが、本当に必要だったのだろうか?
目に見えないものを目に見えるようにしてお金を儲けることはビジネスの本懐だ。
新ビジネス、新商品。これらは目に見えない。
それらを差し置いて、目に見える設備投資にお金を出している理由は何だろう。
削減するのはアイディアを出す可能性のある人を雇う人件費だったのだろうか?
私はこの業界の人たちを直接は知らないが、彼らの会社の決算情報を見ればどういう人間なのかわかる。
未来を作ろうとしている人間なのか、過去の栄光に縋っているだけの人間なのかが。