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ガイアの夜明けを見てわかった日本の家電企業が衰退した理由

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昨日(6/10)に放送していたガイアの夜明けで調理家電のドキュメントをやっていた。

私はこの放送を見て本当に悲しくなった。 

番組では海外から電気シェーバーで有名なフィリップス社と、国内メーカーとしてシャープ社の2社の新商品開発プロジェクトの模様を放送していた。

私がなぜ悲しかったのかというと、ダイソンなどの海外製品が日本の家電市場を席巻している理由が嫌という程に詰まっていたからだ。

尚、私は放送されていた部分しか知らないので、私の知らない事実もあるかもしれないことは先にお断りしておく。

別に日本企業を貶めたりしたいわけでもない。

そんなことをして私に何のメリットも無いし、私は何の得もしない。

 

さて番組での対象の2社の新商品は以下の通り。

【フィリップス社「ヌードルメーカー」】

 

【シャープ社「お茶プレッソ」】

 

私はこの2つの新製品が完成するドキュメントを通して

なぜ家電市場で日本の企業が衰退していったのかを知った。 

 

■1.事前マーケティングの有無

 フィリップス社の開発プロジェクトの担当は製麺機の開発に取りかかる前に

日本人の食生活についてのマーケティング結果を根拠にしていた。

1000人程度のサンプルではあったが「日本人は週に1回は麺類を食す」という

根拠を基にプロジェクトのコアとなる製麺機を決定していた。

一方のシャープ社の開発プロジェクトの担当は意気込みは立派なものだったが、

何の根拠があって「お茶」というジャンルに手を出したのかが不明だった。

これは正に「売れるものを作る」という姿勢と「作りたいものを作る」という

姿勢の違いがはっきりとわかった。

これだけでも海外製品が売れて、日本製品が売れない理由がわかる。

全ての日本企業が同じだとは思わないが、海外から来ているビジネスマンと

会話をする度に「なぜ日本の企業はマーケティングをしないのか?」という質問を

必ず受ける。

そこで私はいつも「マーケティングをしていないところはやがてなくなるよ」と

回答している。

 

■2.Project for whom? 

両社の違いでもう一つ特徴的だったのはプロジェクトが一体誰のためのものなのかということだった。

このことは両社のリーダーの質の違いでわかった。

フィリップス社の開発責任者はオランダ人で、日本の「うどん」を知らなかった。

彼はうどんを「はなまるうどん」で初めて食した。

その際にうどんの食感を手で触ったりして、自分たちの製品が生み出す調理品をとにかく理解しようとしていた。

そして製品のプロトタイプが完成した後は自分で食して実際に食べたうどんの食感や味にどれだけ近づけているのかを指標のひとつとしていた。

製品はうどんをはじめとした麺を作るものだからだ。

一方でシャープ社の責任者は開発した製品が作ったお茶を飲む前に製品の掃除のしにくさを指摘していた。

放送では肝心のお茶について一口も飲んでいなかった。

私は信じられなかった。自社の製品が作ったものがどんな味なのかを確かめていないのだ。

またフィリップス社は開発過程で主婦のモニター数名から意見をもらったり、日清製粉という会社に調理方法を聞いたりして更に製品の機能を強化していった。

一方でシャープ社の開発過程ではそのようなことは見受けられなかった。

プロジェクトは一体誰のものなのだろうか。

製品を買うのは消費者である。

私はシャープ社の責任者に聞いてみたい。

「おたくの製品の作るお茶のどこが美味しいのか?」と。

 

■3.デザイン性の圧倒的なダサさ

フィリップス社の製品のデザインはどこの国のキッチンでも合うだろうと純粋に感じた。

一方でシャープ社は日本国内でしか売れないだろうなということと、完全に年寄り以外に売れないだろうなという色使いだった。

はっきりいってダサ過ぎて年寄り臭過ぎる。

賞賛を送るべき特筆したデザインセンスの無さだと思う。

狙っている顧客層と視野が違うのかもしれないが製品が持つ「発展性」という面から考えると両社は勝負にならないと思った。

フィリップス社の製品は日本という市場で成功した後に海外に対して「日本で売れた!」と大手を振っていけるのだが、シャープ社は日本国内でしか売れない製品だ。

海外に移住する日本人に対しても売れるし、来日して麺が好きになった外国人にも売れる。

だから私はこれを見て今後シャープ社の言う「グローバル」という言葉を信用出来ないと素直に思った。

 

 

■まとめ

上記の項目をまとめてみるとなぜ日本メーカーの家電が日本市場で売れないのかという理由は単に仕事に対する姿勢にあるのかと思えた。

だからこそのタイトルではあるのだが。

真面目にやっているとか、そのような勤務態度のことを言っているわけではない。

シャカイジンという特別なものになる必要なんて無い。

単純にビジネスを学んでビジネスマンとして仕事をしたら良いのではないかと思った。

ビジネスとは究極ではあるが「売れるものを企画する」ことであるから。