フリーになってわかった組織管理職の言う「体調管理」という言葉の意味の無さ
風邪を引いたーー、調子が悪いーー。
季節の変わり目など仕事場では仕事を休む人が増えることがある。
6月に入り全国的に梅雨の季節の到来ということでタイトルの記事を書く。
休んだ人には上司から「体調管理をしっかり」なんて言葉が使われる。
朝礼などでも上司は部下に「最近勤怠が悪いので体調管理を〜」などという。
既に独立して会社員ではなくなった私には関係のない話ではあるが、
この恐ろしく気遣いと思考の無い言葉が私は嫌いで仕方が無い。
■1.原因を把握していない
結果には必ず原因や要因がある。
原因を調査しないことには対処は出来ない。
根性論は理論ではない。
一例を挙げてみよう。
私が昔出会った体調不良者が慢性的に発生していたある現場の話。
50人規模の現場で毎日のように必ず体調不良者が2〜3人居た。
酷い時は5〜10人は居らず全体の90%で業務をこなさなければならなかった。
なんだかモチベーションが上がらない現場だなと思っていたが、
その原因はある工事業者さんが持ってきた機器で判明した。
人数をやたらと集めて狭いオフィスにぎゅうぎゅうに詰め込んだ結果、
オフィス内の二酸化炭素濃度が法定基準を遥かに超えていたのだ。
業者さんは調査で来たわけではないので報告義務も無く、就業環境は改善されない。
ちなみにこの酸素濃度の法定基準に違反したところで罰金もないし、罰則も無い。
指導が入ったりするだけだから、やったもん勝ちだ。
これが原因で体調を崩したと訴えられれば治療費くらいは捥ぎ取れるかもしれないけど。
二酸化炭素濃度が上がり、酸素が不足すると人間は思考能力が低下する。
空気清浄機やエアコンは空気をコントロールしてくれるし、綺麗にしてくれるが
酸素を生み出したり、二酸化炭素濃度を下げてくれるわけではない。
これはマラソンしながらオフィスワークしている状態。
正に仕事しますか?人間やめますか?の現場だったわけだ。
もう離れてしまったが、この現場の仕事が成功したという報告は未だ聞いていない。
■2.事前対策は考えないし、実行しない
車に轢かれたくないからガードレールの内側を歩くなど
トラブルを事前に防ぐ「予防」という行動がある。
ところが、こと体調管理を語る管理職からはこんな言葉を聞いたことがない。
「体調管理がなっていない人」に向けて「体調管理をするように」と言ったところで
申し訳ないが上手な体調管理など出来るわけ無いだろう。
確かに言われた当人が一生懸命に考えたり調べたりするのも成長の一つではある。
だがせめて標準的なものを示してやれよ、とも思う。
夜勤などがある仕事場で一般的な体調管理方法が通用するとも思えない。
体調管理方法で成功している人間をサンプルとして出してやっても良いと思う。
こんなに無責任に言葉を使う人間が会議などで「コミュニケーション」なんて
口にするから毎回噴き出しそうになるのを抑えるので必死だ。
社員を、人を育てようとするなら何をするべきなのかもっと真剣に考えるべきだろう。
病気になってみて、事故になってみてから初めて行動するのは愚者のやることだ。
それで管理者気取るなんて社外の人間からしたら単なる笑い者だから。
■3.具体的に何をするべきか
改善案などあまり書きたくはないのだが今回は書いてみる。
あくまで「管理出来るもの」と「今日から出来るもの」を主体にして書いている。
これすらも出来ないようなら業務の管理なんか出来る分けないのだから、
管理職なんか向いていない。
会社の為に是非とも降格願いを出すべきだ。
(1)夜の飲み会よりも昼の食事に気を遣え
食は人間の身体を作る。
食事に気を遣っていない人間の体調不良率は気を遣っている人間に比べて高い。
社内でアンケートでも取って、体調不良率と照らし合わせてみれば一目瞭然だ。
会議で忙しかろうが何だろうが、燃料が無ければ人間は動けないのだ。
昼ご飯を食べる事が出来ない人ほど体調不良になっている。
管理職、上司、先輩として昼ご飯を食べていない、食べれない人に一番気を遣うべきだ。
上司や先輩を気取るのも良いが、同じ釜の飯を分け与えてからにして欲しい。
具体的には社員食堂を作って管理するのが一番良いだろうが、明日からすぐに出来る事ではない。
よって健康管理が出来る弁当屋やケータリングサービスと契約するなどの方法がある。
夜に接待交際費などで飲みに行く予算があるならば、昼飯を提供する予算は絶対にあるはず。
要はやるかやらないかの問題。
(2)運動をさせる
私が今まで出会った仕事の出来る方々は必ず運動をする仕組みを生活の中に持っていた。
脳を活性化させるのに一番有効なのは運動だということも証明されている。
脳細胞が増える運動「3つの条件」 - エキサイトニュース(1/4)
天気の良い日に一日中ビルの中に居て身体にいいはずが無い。
最近のオフィスではオフィス内にウォーキングマシーンなどもあるようだが、
運動というのは人間の活動に必要不可欠なものである。
病魔を事前に防ぐ目的では非常に大きな役割を果たす。
個人の持つ特定疾患以外の風邪などの疾患には大きな効果が期待出来る。
如何に就業時間内にやらせるかが課題だと思うが、
毎朝一緒にラジオ体操するくらいのことなら今日からでも出来る。
(3)温度だけじゃなく湿度もコントロールする
オフィスが入っているほとんどのビルには空調設備がある。
だがこの空調設備はほとんどが温度を管理するためのものである。
過去100年で東京は3℃も平均気温が上昇しており、実は世界平均の3倍で
世界一気温が上昇している都市なのだ。
世界平均のなんと3倍、東京の平均気温上昇率 (nippon.com) - Yahoo!ニュース
外資系企業で東京に赴任する外国人には「熱帯手当」なるものが出る。
東京は最早熱帯地方なのだ。
東京にも限らないが、湿度が70%を超えると気温が低くても熱中症を引き起こす。
湿度は馬鹿に出来ない重要な指標である。
空気清浄機はさっさと導入する癖に除湿器を導入しない理由は私にはわからない。
■まとめ
「馬鹿は馬鹿を管理したがり、頭の良い人間はより頭の良い人間と仕事をする」
この言葉は本当にその通りだと思う。
さらに馬鹿の極みというのが管理にもなっていない管理を大声で主張することだ。
「俺の時代はこうだった」「昔はこうだった」
そんなことをし続けているからこそ問題は継続して起こっているだけだと
私は思うのだが、悲しい事に馬鹿に付ける薬などないと言うところだろうか。
管理が出来ないのであれば、さっさと管理職なんざ辞めてしまえ馬鹿共。
そもそも仕事や作業を「部下に与える仕事」と勘違いしている奴が多いが、
経営者からすれば他人にやってもらう仕事は全て
「頼んでやってもらっている仕事」なのだ。
頼んでやってもらっているのに環境を整えない、部下の体調を気にしないというのは
目的と姿勢や行動が一致していない。
目的を達成したいと思えないと見られても仕方の無いことなのだ。